お知らせ
時代の中か
先日テストがありました。最初は「馬、カボチャ、ノコギリ、ひまわり、すずめ」などのイラストを見て、数分後にいくつ記憶しているか回答する問題でした。
また、今は何年の何月何日か?書きなさい!という類のテストでした。
これは、幼稚園の入園試験ではありません。
私自身が受けた、自動車教習所の高齢者認知症検査の試験です。このテストに受からなければ運転免許証の更新資格がないのです。
近年の年齢別交通事故死者数は、25~65歳で20.5%に対して65歳以上だと70.5%と3倍以上です。
確かに、一緒にテストを受けた人達の中には、この人に運転させたら「ヤバイ」と思える人も少なからずいました。
例えば、試験官へ「今日は何日やったかな~!」と悪びれず聞く人・・それがテストの問題なのに!。
また別の人は「ここは、ひらがなで書いてもかまんかな?」、試験官曰く「そこは生年月日の数字を書く欄ですが?」
不思議なのは、誰も笑わないことです。自分もそのグループの一員だという空気が支配しているので笑えないのです。
会場は、ほとんど現役リタイア組と思われる高齢者の集まりです。
2階から下に移動するとき、足元が危ないからエレベーターを勧められましたが、「ワシはいつも階段よ!」と怒りながら降りて行く人がいました。
昔から高齢者に対する陰口で、「年寄りの冷や水」「ロートルの出る幕ではない」「老いぼれる」「ボケ老人」など言われてきました。
中でも、「自説を曲げない、沸点が低く怒りっぽい、自分の価値観を押し付ける、話がくどくて長い・・」などの特徴があれば、「老害」として特に嫌われる対象です。
しかしながら、年齢を重ねたことを理由に「ボケ老人」「老害」、と一括りに見るのは早計です。
例えば、ケンタッキー・フライド・チキンの創業者カーネルサンダースは65歳で企業し、江戸幕府を樹立した徳川家康は大阪夏の陣のとき73歳でした。
また、世界中の経営者から信奉された現代経営学の第一人者ピータードラッカーは90歳まで現役でした。
もしあなたが年齢に関係なく現役なら、「ビジネスとは、お客様の求めに応じること」と承知しているでしょう。
さらにあなたが管理職なら「お客様は、今何を求めているのか、先手を打って提案していくことが仕事だ」と理解しているでしょう。
もしあなたが経営者なら、競争相手よりも鋭い嗅覚が求められ、多くの選択肢から正解を嗅ぎ分ける能力が大事だ」と感じているでしょう。
経済競争においては、想像力を働かせ、先手を打つために、世の中の動きを知らねばなりません。
そして、お客様が何を求めているのか?またその変化を察知するには、時代の真っ只中にいて、24時間神経を張り巡らせ、嗅ぎ分け、敏感に感じ取らねばなりません。
それには・・己が「時代の中にいる」かどうか・・が問われます。
つまり、大事なことは高齢者かどうかではなく、自分自身が「時代の中心に心を置いているか」どうかです。