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空気を忘れる

会長のたわごと

40年も会社経営に携わっていると、イロイロな経営者と知己になります。

経営能力の秀でた人、そうでない人、長期に渡って安定経営の人、

一時の勢いだけで消えていく人、・・・様々な出会いがあります。

中には自社の核になる収益、

競合他社には真似のできない能力「コアコンピタンス」が何か?

実はよくわかってない社長がいます。

高学歴で弁も立つ後継者に多い傾向ですが、

コア周辺や他のビジネスに躍起になっているのを見かけます。

今の会社があるのは、コア事業を磨き続けてきた結果だということを忘れているようにさえ感じます。

この世に生れた時すでに「空気」が存在していると、

それ無しでは生きられないのを忘れてしまうのと同じです。

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2024年に一万円札の肖像画が40年ぶりに、福澤諭吉から渋沢栄一に変わります。

ご存じのように、日本の近代化に多大な貢献をした二人の偉人、渋沢栄一が「日本資本主義の父」なら、

福澤諭吉は慶應義塾の創立者として有名ですが、

一方で西洋文明の紹介者でもあり、独立自尊を説いた「啓蒙主義者」でもあります。

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私の仕事上の座右の銘にしているのが、「丸屋商社之記」で福澤諭吉の言葉とされている次の文面です。
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『商人は一度の利益を誇ることなく、また一度の損失に動揺してはならない。

唯一恐れ慎むべきは、日々月々少しずつ発生する損失である。

一重に希望すべきは、 連綿と続く少しずつの利益である。

一度の損失は連綿と続く少しずつの利益をもって補填できるが、

連綿と続く損失は、一度の利益をもって補填することは困難である。』

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尚、この文面には次のような前置きがあります。
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『おおよそ、商業では長い年月の間には災害もあれば損失もあるものだと思うべきである。

もしも不幸にして商売上の損失があっても、慌ててこれを回復しようと思ってはならない。

その 損失が発生した原因・理由を追究して、今後の戒めとすれば、却って安全の基ともなり、

損失はいつでも回復できるのである。

もし大いに損失を後悔し、ひたすらこれを回復しようとはかるときは、

多くの場合、最初に損失を発生させたのと同じ原因・理由によって同じように損失を重ねるものである。

私が世間の大きな商家の転覆を見てみると、

多くの場合、最初の損は少なく身代を傾ける程ではないのに、

急にその損を取り戻そうとして、二度目、三度目の損で破滅するのである。』
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これが書かれたのが1869年(明治2年)だから驚きです。

なぜならこの現代に、私の周辺でこのような失敗事例を数多く見てきたからです。

特に投資金額が大きい不動産業界においては、なおさらです。
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この座右の銘のおかげで、当社ではスタートアップの4年間を除いて36年間一度の赤字も出すことなく、

微増ながらコツコツ右肩上がりを継続できました。

従って当社のコアコンピタンスは、

日々少しづつの収益である賃貸不動産管理業「ストックビジネス」だということを肝に命じています。

あなたの会社では、自社のコアを理解し、それを高めることが一番重要だと、社員に説いているでしょうか?

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