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突先の立ち位置

会長のたわごと

先日、異業種交流会の宴席で、ある会社の幹部社員から次のような話を聞きました。「うちの社長は、何でも自分で決める。我々社員の意見を聞くポーズはとるが、最終的には自分で一人で決めてしまう。それなら最初から会議など無駄なことはやめて、自分で勝手に決めれば良いのに・・」と。
酒が回っているせいもあり、社長に対する不満とも愚痴とも思える告白でした。
「それは部下の意見を無視した独断先行型のワンマン社長という意味ですか?」と質問をすると・・
「いや、そういう意味ではないが、とにかく自分で決めてしまうのですよ!」と・・。
それに対して社長の一人として自分の意見を言うと、彼と平行線をたどりそうな気がして聞き役に徹しました。

社長業とは、組織の代表者として三角形の最先端に位置し、尖がった先端ゆえに社会に対しては一番矢面に立っています。
ある大手企業の社長から聞いた話が印象に残っています。「社長になって初めて実感したことだが、副社長の時は楽だった。最後には社長に話をもっていけた。社長と副社長の差は実に大きい。副社長と新入社員との距離より、社長と副社長の距離の方がはるかに遠い!」

社長は組織全体に存在する様々な事象をすべて飲み込んだ上で、総合的に判断をしなければなりません。社長が行う判断は、その組織の最終的な決断です。
従って社長として一つの決断をする前に、立場の違う色々な見方や、考え方、または関連情報を多く得る努力をします。そのために重要案件の決断に際し、会議を開いているのです。ただ多数決で決めるような簡易な案件なら、会議ではなく社内メールでも良いのです。

難しいのは、部下の意見や情報を総合的に判断して下した決断も、状況の変化や時の流れの中で、自分には制御できない結果になる場合もあります。
それでも、誰の意見を採用したかなど、判断の過程や中身ではなく、すべて結果責任を引き受けざるを得ないのが社長です。社長業とは、総合決断の結果責任をすべて一身に引き受ける存在です。
組織が直面する結果責任に対する深い自覚を持てない人は、経営者には向かないのです。先ほどの経営幹部の悩みは、そのような“社長業の覚悟”を理解していないが故の悩みに思えてなりません。

「The buck stops here.」という、社長を表現する言葉があるそうです。これは「最終責任を負うのは自分。もうすべてはここで終り、この先は誰かの判断を仰ぐことは出来ない。」と言う意味です。三角形の突先である社長には、その上に頼るべき人は誰もいないのです。

今日も・・孤独に耐えてる社長さん・・・頑張りましょう!!
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