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店舗至上主義の終焉

会長のたわごと


業界新聞の記者から、「これからの賃貸仲介店舗はなくなるか?」というテーマで取材を受けました。
と言うのも、今や賃貸仲介業務は「VR」や「オンライン内見」、「IT重説」や「電子契約」などの組み合わせで、物件選択から契約締結までのやり取りが、オンライン上で完結できるシステムに変わりつつあります!
今までのように、目立つ場所に出店したり店舗数を増やすことで、売り上げ増を目指す「店舗至上主義」が通用しなくなってきたのです。

従来の「顧客チャネル=店舗」というスタイルではなく、店舗は営業チャネルの一つに過ぎなくなっています。

現在の店舗仲介営業は、契約という瞬間を最も重視し、それをゴールとする傾向が強くあります。
しかしながら入居者視点で、それはゴールではなく入り口に過ぎないのです。従って、今後はその一点だけを見つめていても、入居者とのつながりを築くことは出来ません。その瞬間だけではなく、その前後を含めた一連のステップ・・「部屋選び」「契約」「生活」・・という複数データから、真の入居者ニーズを認識することが重要になってきます。

ある意味、仲介店舗と入居者との関わりは、契約段階ではなく生活段階に最も深まってきます。その理由は、お客様の真の目的は「安心で快適な生活」を獲得することであって、契約はその手段に過ぎないからです。

これからの仲介店舗の役割は、ITとの融合で、生活段階まで入居者と関わるチャネルを強化し、入居者にとって魅力ある「生活行動をデザイン」することが求められてきます。それは車のディーラーが、販売後のユーザーとメンテナンスや乗り心地に関わりを持ち続けることで、次期新車の販売にも役立てているのと同じです。

現在の賃貸管理会社はオーナー様とのチャネルを大切にしていますが、それ以上に賃貸仲介店舗は、入居者とのチャネルを重要視していかねばならなくなります。
つまり、入居者とのサポートチャネルを持たない店舗は、入居生活全般の深いニーズを把握することは出来なくなります。それは、昨今の入居者優位が強まる賃貸市場では、大きな後退を意味します。

今後は「店舗至上主義」からITを駆使した「サービス至上主義」へのシフトもあり、賃貸物件という「モノ」ではなく、快適で魅力的な生活という「コト」を仲介するビジネスに進化していくでしょう。

その意味で、従来型の賃貸仲介店舗は、かつて「町の本屋さん」が消えていったように、徐々に減っていくでしょう。

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