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好悪の教訓

会長のたわごと

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私の運転する車が細い路地に進入したとき、反対車線で信号待ちの乗用車が停車していました。通り慣れた道ですが、カーブしており車がギリギリすれ違うことができる道幅です。
その車は、左側面の路肩から90cm以上も空けて停止しているため、私の車が通過できません。運転席の窓から、頭を下げて少し左に除けてもらうようお願 いしました。するとその女性ドライバーは、自分は左の路肩ギリギリに停車しているので、これ以上寄せられないと、ガンとして一切動こうとしません。

そうこうしていると、渋滞した後続の車から警報を鳴らされる始末です。
私は、たまりかねて車から降り、相手の左車輪と路肩の間隔を両手を広げて見せた上で、「オーライ・オーライ・・」と誘導をしました。
不安そうな表情でゆっくりと前進し、すれ違いざまの彼女に、私から「ごめんなさいね・・ありがとう」と挨拶しました。それまで鬼のような形相をしていた彼女は、運転席に座ったまま頭を「ペコッ」と下げてスルーして行きました。

人は誰でも「自分は間違っていない!私は正しい」というエゴを持っています。彼女の運転席からは、左車輪の位置を目視できないため、路肩ギリギリに停車していると思い込んでいたのです。
したがって「こんな細い道に進入してくる方が悪い!」、と私に敵意を持った表情でした。

ところで私の若い頃は、今よりもずいぶん「短気」でした。
短気とは、内面に感じた「怒り」を瞬間湯沸かし器のように外にあらわにしてしまうことです。その性格のためずいぶん損もしたし、後悔もしました。

「怒りマネジメント」の専門家によると、怒りとは何かを学び、怒りが起こる原因を知れば、自分の感情や行動をコントロールできるようになるそうです。
また、人は誰でも目の前の出来事に対して、自分流の意味づけをしますが、それは、その人なりのモノの見方や価値観、信条によって決まるということです。その中で、自分が信じている「~すべき」「~すべきでない」という考え方が裏切られた時、怒りを感じるという心理です。
つまり、怒りが生まれる原因を突き詰めると、「考え方の違い」「価値観の不一致」と云うことになります。
したがって、夫婦や親子、会社の部下や同僚、友人など、自分に近い存在ほど許容範囲が狭くなり、不一致が許せなくなることが多いのです。
そして、それが拮抗し衝突すると「売り言葉に買い言葉」・・相手の強い言葉に対して、さらに強い言葉で返す、言葉の応酬バトルがエスカレートします。

もし昔の私なら冒頭の出来事のときに、相手の「非」を認めさせるために怒り、それでも動かない場合は怒りのレベルを上げて、再度怒っていたかもしれません。当時は怒れば、相手が自分の思い通りに動くはずと思い込んでいたのです。
そして、そんな自分に嫌気がさし、後悔していたことでしょう。

ささいな出来事ですが、「非」は相手にあると感じても、こちらから謝罪し問題解決を優先した「冷静で賢明な自分」に感謝しました。

・・・好悪すべての出来事は、何かを教えようとして起こる・・!

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