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物語が外見を壊す

会長のたわごと

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私の行き付けの寿司屋さんでは、この時期になるとキュウリをまるごと一本出してくれます。はっきり言って、形は不細工、色は濃かったり薄かったり、お世辞にも旨そうに見えません。
しかし、塩をつけて丸かじりるすると、昔懐かしい太陽と土の香りの甘みが口一杯に広がります。きっかけは、店主の言葉でした。「これは私の80歳の婆ちゃんが、裏の土手で栽培した手作り(無農薬)のキュウリなんです。」
「昔を思い出して趣味で作っているだけなので、余り本数がないんです。この味が判る人にしか出しません」・・と。

かつて、まったく売れてなかった「白い犬とワルツを」という一冊の本がありました。・・それがある本屋さんのPOPが発端となり、全国に飛び火し百万部を突破するベストセラーになり、そのことが、当時の全国新聞に掲載されたほどです。
そのPOPに書かれていたのは・・「長年連れ添った妻を亡くした老人の前に現れた白い犬、この犬は老人にしか見えない。その犬が他の人達にも見えるようになる場面は、鳥肌ものです。何度読んでも鳥肌が立ちます。感動のプレゼントにもピッタリです」・・と。

県外の同業者の取り扱い物件の中に、古びた小さなアパートがあります。
築年数も設備も古いため、お客様に見向きもされず、内見希望の段階でスルーされてしまう有様です。
ところが、一人の社員だけは、その物件を50%以上の確率で決めてきます。他の社員との違いは、物件案内の時に前入居者から聴いた話をしているだけでした。
『このアパートの窓越に、隣接した小さな公園があります。そこには、寄り添うように同じ大きさの桜の木が2本立っています。桜はその2本だけなので、ほとんどの人達は気にも留めません。気がつかないのです。
でも春になると、2本同時に満開になります。その瞬間は、まるで一年間はぐくんだ愛をおもいきっり告白している恋人同士のようです。
その桜の下に、手作りの椅子を持参して、読書や音楽を聴いたりします。夜になると、部屋の明かりで照らし出され夜桜も楽しめるんです。
その時期になると、毎日アパートに帰るのが楽しみなんです。自称ですが“恋人桜”から元気をもらえて、幸せな気分になるんです』・・と。

そしてこの社員は、他の物件を案内している時も「物件は古いですが、“恋人桜”の見えるホットなお部屋があります。一度内見してみませんか?」と薦めるそうです。

ネットに物件を並べているだけ、要望されるままに部屋の案内をするだけ・・これらは決して「営業活動」とは言えないのです・・何故か?・・そこには「メッセージ」が不在だからです。
お客様が最も期待しているのは、ワクワクするような出会いです。お客様は、今までと違う「他には無いワクワク」が想像できた時、それが欲しくなります・・その部屋に住んでみたくなります。
外見だけでは、モノの魅力は伝わりません。「メッセージ力」は、人間だけが持つ特技です。どんなモノに、必ず“物語”があります。
そして、ホットな物語が人の心をブレイクスルーさせる!!

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