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成功と試練


「成功と試練」
記憶に新しいところですが、一代で従業員6、000人を超える日本最大級の中古車販売会社に成長させた創業者・・一つの「成功物語」に思えました。
ところが、保険金の不正請求や過剰な営業ノルマなどが明るみになり社会問題になったあげく、社名も含め事実上消滅してしまいました。
創業から苦労を積み重ね、やっと築き上げた信用・・一定の経済的成功を収めた会社が数年経過すると、何故か社会や消費者を欺くようなことをしてしまう。
一時の成功に酔いしれて来年も再来年も・・もっともっと、と自分個人の欲の深みにはまり込んでいくか、
または小さな成功に満足し謙虚さを忘れ傲慢になってしまう人がいます。
政界を見ても、腐敗した政治体制を改革すべく立ち上がった革新政治家が、
苦しい選挙戦の末やっと勝ち取った公職の座・・ところが3期4期と長期政権を続けると、何故か不正にまみれてしまう人もいます。
大抵の人は「苦難」に突き当たった時、全身全霊でその苦難を乗り越えようと努力します。
したがって苦難は、昔から試練を乗り越える代名詞のように云われてきました。
しかし、苦難のすえ手に入れた「成功」は、試練とは無縁の領域に到達してしまう傾向があります。
逆境には強いが、「順風には心の隙ができる」・・一時の幸運と成功を得た人々が、
あっという間に没落する姿を幾度となく見るにつけ、そう考えざるを得ません。
苦難に怯まず頑張った人も、いったん手にした一時的な成功に酔い、無防備な心になってしまうのでしょうか。
一見スポットライトに照らし出された「成功」・・しかしその正体は、目の前に暗く立ちはだかる苦難に比べて、
したたかで狡猾な「試練の化身」であることを、注視しなければなりません。
決して驕り高ぶらず、謙虚な心を失わず、努力を続け、一時的成功は砂上の楼閣であることを肝に銘じ、狡猾な誘惑に屈しない決意をする必要があります。
年末年始に響く除夜の音・・・私達凡人が抱える108つの煩悩・・・これら数々の迷いを完全に断ち切ることは難しいことです。
だからこそ私達一人ひとりが、「成功こそ、大きな試練である」ことを、肝に銘じておくべきです・・成功と思った瞬間から没落がスタートする・・。
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