お知らせ
信用は資本
「信用は資本」
先日、ドラッグストアで薬を買い、自宅で飲む前になんとなく製造販売会社の名前を確認しました。
そこには、2024年に紅麹問題で死亡者や数多くの治療患者を出して社会問題化した製薬会社名が記されていました。
もちろん現時点でその薬は、紅麹とは無関係であり問題化されていないものです。この製薬会社は、知名度も高く100年以上続く大手老舗企業です。
しかし、とても服用する気にならず廃棄してしまいました。
正に「信用を積み重ねるには一生、失うのは一瞬!」という消費者心理でした。
ところで、近年のネットビジネスの世界では商品説明の写真や動画など「情報内容」が注目され、情報の中身が「信用」できるかどうかは後回しにされる傾向にあります。
ネットショップのほとんどが、商品情報の信憑性は消費者の自己判断で・・という姿勢です。
ある意味、それでもビジネスが成り立っているところに、ネットビジネスの特異性があります。
本来「信用」とは、過去の実績や行動に対する評価であり、それに基づいて他者が自分の言動や能力に期待を寄せる状態を指します。
昔からリアルなビジネスでは、「信用」という二文字の重みについて色々表現されてきました。
・「実業家の命は信用、信用さえあればお金も人も付いてくる」
・「信用は正に資本であって、商売繁盛の基盤である」
・「信用は、黄金よりも尊い」・・・・などと引用にキリがありません。
日本エイジェントの創業間もないころ、売買の仲介営業が競合した場合、他社に依頼されてしまうケースが、非常に多かったことを鮮明に覚えています。
大阪で10年近く売買営業で成績も良かった私は、営業力で劣るとは思えなくて、ずいぶん悩みました。
悔しくて情けない想いが募り、直接依頼主に聞いたことがありました。
答えはいたってシンプルでした・・「あなたの会社は聞いたことがない、知らないから!」でした。
実のところ大阪の営業パーソン時代は、会社の看板「信用」で仕事が出来ていることに気づかなかったのです。自分の信用で仕事が出来て、お客様の信頼も自分自身へのものと、大きな勘違いをしていたのです。
現在の我社社員も、既に一定レベルの土台が築かれた「信用」の上で仕事をしてるのです・・かつての私のように、「会社の看板」と「自分の看板」の混同の中で営業をしています。
我社の発足以来40有余年経過した今では、創業時にコツコツ信用を積み上げた苦悩を知る体験者はほとんどいません。
残念なことに、我社に限らず歴史があり信用や知名度の高い企業ほど、創業時の先達によって築き上げられた「信用こそがゆるぎない資本であり、同時にもろいものである」ことに気づいていない人が、如何に多いことか!
「信用は鏡ガラスのようなもの、ひびが入れば元通りにはならない」(哲学者アミエル)