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満室レシピ

令和2年度税制改正大綱

2019.12.26

先日、令和2年度の税制改正大綱が決定されました。実際の税制改正は、国会の審議を経てから決定されますが、前段階の税制改正大綱で、およその税制改正の内容が分かるため、各界から注目を集めています。
今回の税制改正大綱の内容の中で、注目を集めているものについてご紹介します。

未婚のひとり親に対する支援策

年末調整や確定申告でチェックが必要な項目として「寡婦(寡夫)控除」があります。これは、今までは配偶者と離婚・死別した人を対象にしており、未婚で子どもが生まれた人には適用されていませんでした。「寡婦(寡夫)控除」創設当時は、戦争で夫を失った妻を想定していたからです。現代の事情にあわせて、未婚であるケースに対応したことは、子どもの視点に立った改正だといえるでしょう。
ただし、籍を入れていないだけの「事実婚」の場合は対象外となるようです。また、今までは寡夫よりも寡婦のほうが優遇されている内容でしたが、今回の改正大綱では、男女間の差を縮小させる内容となっています。

海外不動産投資損失の損益通算を制限

富裕層では、節税のために海外不動産で生じた損失を、国内の給与等の所得と損益通算するという節税方法をとっている場合があります。海外の建物は日本より耐用年数が長い・不動産価値が高いといった理由から、日本の税法で減価償却を行うと、減価償却額が大きくなる傾向にあり、これを利用して赤字を出し、節税を行っていたわけです。今回の税制大綱が可決されると、この方法で節税できなくなるため、海外不動産投資を行っている人には大きなインパクトを与えました。
制度の不備を利用した節税対策は、いずれ制度改革されることを予想しておかなければならず、「節税を前提にした投資はリスクが伴う」ということを念頭におかなければなりません。

注目されているその他の改正内容

上記以外にも税制改正大綱には、政府一丸となって通信網を整備し、次世代通信規格5Gを促進するため、政府から認定された携帯電話会社等に、投資額の減税または法人税軽減を認める内容が盛り込まれています。また、要件を満たしたベンチャー企業に1億円以上出資した場合、出資額の25%を課税所得から引くことができるという、投資環境を整備するための内容も注目されています。
さらに、安定した資産形成のためのNISA拡大、所有者不明の土地への課税等、多くの大きな税制改正が含まれており、税制改正可決に備えて大綱には目を通しておきたいところです。自民党のWebサイトでPDFのダウンロードができますので、ぜひご覧ください。

自民党 令和2年度税制改正大綱

 

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えひめ税理士法人

冨岡 和久

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