先日、東京ビッグサイトで開催された「資産運用EXPO」に行ってまいりました。そこでは、不動産投資をはじめとした、さまざまな金融商品、資産運用のトレンドが各ブースで展示されていました。何より出展者、来場者の熱気が刺激的で、約200社の出店ブースからはセミナーや新サービス紹介の声が至るところから聞こえてきました。私自身、このようなフェアを通じて今の不動産投資のトレンドを把握し、新しいビジネスのヒントを見つけるのに役立てています。
そして今回、私が注目したのが、海外の不動産投資市場です。
■テキサスの不動産投資はまだ熱い。※ただし法人格のオーナーに限り。
テキサスというと西部劇のイメージしかありませんでしたが、テキサスは知れば知るほど魅力的な州です。
例えば、人口増加率。まず、日本において2040年までの「人口増加率予測」は、−12.5%です(出典:国立社会保障・人口問題研究所)。それに対し、アメリカの人口増加率は、全土平均が18%増。そしてさらにテキサス州のダラス、ヒューストン経済圏だけで見ると、+38%の増加予測となっています。
次に、テキサスでは企業もさまざま面で優遇されています。2017年、北米トヨタの本社がテキサス州ダラスに移転、AmazonやGoogleも一部機能をテキサスに置いています。実は、ニューヨークに次いで二番目にテキサスに本社を置く企業が多いのです。その理由は、個人・法人の所得税がゼロなど、州政府による様々な優遇処置が受けられることも大きな要因です。
そして、テキサスでの不動産投資最大のメリットは、非常に大きな減価償却を享受できることにあります。つまり所得税の節税メリットです。
日本の税制では、木造建築物は法定耐用年数が22年で、これを経過すると4年での加速度償却ができます。実はこれは日本人が保有するアメリカの不動産でも適用になるのをご存知でしょうか。さらにアメリカの不動産では購入額の建物評価の割合が80~90%と高いため非常に効果的な節税対策が可能になります。
このような背景もあり、ここ数年で非常に多くの人がテキサスで物件を購入しています。ただし、1点注意ポイントがあります。それは、この海外不動産の節税の仕組みは、令和3年より個人のオーナー様に限って使えなくなるということです。ただし、法人格のオーナー様は引き続きこの仕組みが使えるとのことですので、ご興味のある方はお問い合わせください。
結局は、情報を仕入れるスピードと決断力、行動力のある人が「先行者利益」を手にするということですね。
■個人的に注目している「カンボジア不動産」
また、私が個人的に注目しているのが、カンボジアの不動産マーケットです。私は学生時代、卒業旅行でカンボジアに行ったことがあります。まだ戦後の痛々しさが残る中、アンコールワットの素晴らしさと、国民が一生懸命復興に向けて頑張っている姿が印象的でした。そんなカンボジアも今では、世界中の投資家が注目する国になっています。カンボジアマーケットが期待される3つの理由として、
①人口増が著しい。そして若い
日本の平均年齢が46歳に対して、カンボジアはなんと24歳。平均年齢が若いということは今後の伸び率が大きいということです。そして、総人口も2080年まで増え続けると言われています。
②米ドルでの取引が可能
カンボジアの通貨は「リエル」ですが、プノンペンなどの主要都市では米ドルが通貨になっています。
東南アジアでは珍しい、世界の基軸通貨の米ドルで決済できるので、為替リスクを抑えることができます。カンボジアが「投資に向く国」と言われる理由です。
③高いG D P成長率
世界の経済成長率ランキングを見ると、カンボジアのG D P成長率は7.5%(昨年対比)と世界トップランクです。(ちなみに日本は0.8%。171位)カンボジアの製造業とサービス業の拡大が安定的な高成長を牽引しています。
このように、カンボジアは、今までに見たことのない勢いで発展している国です。ぜひ注目していきたいですね。
■海外不動産投資の注意するべきポイント
海外不動産投資は魅力的ですが、注意するべきポイントもあります。
①詐欺
自分の知らない国で、しかも日本の法律が通用しないとなると、本当に信頼のおける不動産会社をパートナーにしておかないと痛い目にあいます。実際に私が聞いた話では、海外の物件を購入したものの、半年以上経ってもなかなか部屋が決まらず、確認のため現地に行ったら、勝手に部屋を貸して家賃を自分のポケットに入れていたというケースもありました。もし私が海外不動産を買うのであれば、やはり現地にある日本法人の方が安心できそうです。
②為替リスク
これは、リスクである一方、メリットでもあります。しっかり円高、円安の時期を見極めれば、入口・出口戦略では効果を発揮します。
世界の不動産マーケット、知れば知るほど面白いです。普段テレビやニュースで見る国も、不動産投資の視点で見ると、また世界の見方が変わりますね。また新しい情報が入れば、こちらで発信していきたいと思います。この原稿を執筆しているうちに、私も海外旅行に行きたくなりました(笑)。
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