今回ご紹介するのは、築30年の2DK(DK7帖、洋室6帖、洋室6帖)、家賃46,000円の物件です。ここ数年は空室が出た後、原状回復して物件情報サイトに掲載するも反響が少なく、成約に苦戦していた物件だったため、今回お部屋が空いたタイミングでオーナー様にリノベーションの提案をさせていただきました。リノベーションを実施するにあたり、重視したのは「顧客ターゲットの設定」です。
■「顧客ターゲット」の設定方法
空室対策を行なう上で、まず考えるのは、その物件に住んでくれそうな入居者をイメージすること。いわゆるターゲット層の設定です。リノベーションをする前にターゲットとなるお客様を想定してから、募集条件の改訂や設備投資を行っていかないと、無駄に費用を掛けてしまったり、条件が全く合わずに成約に繋がらない結果となってしまいます。まず入居者となるお客様の属性を考えてから、それに合わせたリノベーションを行うことが重要です。
今回は、物件が駅に近くて法人契約のお客様に人気のエリアでしたので、法人(転勤者)をターゲットにすれば需要はあると想定しました。そこで顧客ターゲットを、「30代から40代くらいのひとり暮らしの男性(単身赴任の男性ビジネスマン)」に設定し、2DK(DK7、Y6、Y6)の部屋を1LDK(LDK15、Y4.2)に変更することにしました。
■顧客ターゲットに合わせた「リノベーション」ポイント
今回のリノベーションでは、「間取の変更」以外にも、「30代から40代くらいのひとり暮らしの男性(単身赴任の男性ビジネスマン)」という顧客ターゲットに合わせて変更したポイントがいくつかあります。今回のリノベーションのポイントを「間取り」「内装」「水回り」に分けてご紹介します。
1)間取り
カップルやファミリーを対象とした2DKの間取りから、単身入居者に人気が高い1LDKへ変更。
2)内装
白を基調にした明るく清潔感のある内装に。洋室には人気設備ランキングで常に上位にランキングされているWIC(ウォークインクローゼット)も配置し、収納力をアップしました。
3)水回り
キッチン・トイレ・洗面台・浴室を一新。キッチンについては、人気のカウンターキッチンにするという選択肢もありましたが、間取りと動線を考えて流し台とガス台を切り離すという珍しい配置にし、見た目のインパクトを演出しました。
■家賃9,000円アップも、リノベーション完成前に成約に
今回は、顧客ターゲットを法人契約の転勤者に設定してリノベーションした結果、築30年の物件で家賃を9,000円もアップして募集したにも関わらず、リノベーション完了前にターゲットに想定したとおり、法人契約のお客様の入居が決まりました。
このように、ターゲット設定は非常に重要で、単身向け、ファミリー向け、新婚さん向け、学生向け、外国人向けなど様々なカテゴリーの中で、どの層のお客様を想定した部屋づくりをするかで、リノベーションの内容と結果は変わってきます。空室対策を考える際は、どのターゲット層に響くお部屋を作るかを考えて、ターゲットに合わせたリノベーションを行なうことが、早期客付けの近道です。
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