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良いとこ探し

会長のたわごと

 

 

世の中、「他人批判」をしたがる人が意外と多いのに気づかされます。

真実は別として、そのような人は自分の言い分に対する同意を熱心に求めてきます。

つい同調して相槌を打ってしまうと、さらに話がはずみます。

居酒屋では、会社や上司批判に花が咲き、他人の陰口を酒の肴にして人の失敗や欠点に話が盛り上がります。

著名人や芸能人のスキャンダルを報じる週刊誌は、不幸の度合いが大きいほどよく売れると云われます。

「他人の不幸は蜜の味」とか「他人の不幸でメシが旨い」という言葉があるように、誰の中にも存在する深層心理かもしれません。

これを心理学上では「シャーデンフロイデ」と云い、ドイツ語の「Schaden(損害)」と「Freude(喜び)」が組み合わさってできた言葉のようです。

 

本質的に人は、他人の長所より短所に注意を向ける傾向があるのは何故でしょうか。

一説によると、これは自分への攻撃や損害から身を守るための一種「防衛本能」だと云われています。

しかしそれでは、周囲の人を敵視し疑惑の中で生きて行かねばなりません。

さらに会社組織のように、お互いに協力し共通の目標を達成する環境下では大問題です。

特に「優秀な人材を一人でも多く育てる」という社員教育の現場では、この防衛本能が邪魔をすることになります。

それは、部下の長所より短所に目を奪われて、彼らの創造性を引き出せなくなることです。

 

小中学生は、国語のテストが100点でも算数と音楽が悪いと、受験に向けてその科目を勉強しろとハッパをかけられます。

決して得意な国語をもっと伸ばせという指導はされません。

日本の教育現場では「短所を指摘して正す」ことで、同じような人間を多く育てようとする傾向があります。

しかし、明治維新で活躍する優秀な人材を多く輩出した松下村塾の吉田松陰が、

2年4ヶ月という短期間で「生徒の長所を見つけて、その長所を誉める」ことにより人材育成したのは有名です。

そして日本資本主義の父と言われる渋沢栄一は、「短所なんか治す暇があったら長所を伸ばせ!」と・・・。

 

経営論の権威ピーター・ドラッカーは「短所をどれほど改善しても、せいぜい並みにしかならない。

長所は少ない努力で無限に伸びる」「市場で勝ち残るには他社より優れた長所を持つことであり、

短所を並みにしても競争には勝てない」と述べています。

そして、「部下の欠点しか見つけられない上司は即刻解雇せよ」と言い切っています。

 

あなたも、本能に従って知人や部下の「悪いとこ探し」をしていませんか?

もし、人間関係を良くしたり優秀な上司になりたければ、相手の「良いとこ探し」をしましょう! 

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