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見えない差別化

会長のたわごと

私が社長時代に、就活の学生達と対談した時のことです。

「会社とは・・仕事とは・・」について話した後、

一人の学生さんから「御社の差別化は、一口で言うと何ですか?」と質問を受けました。

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答えて「サービス内容や手法上の差別化は何点かあります。

しかし、そんなものはすぐ真似され、同一化してしまいます。」

「真の差別化は我が社の“企業文化”です!」と・・。

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「“企業文化”とは、その会社のポリシー、理念、価値観のことであり、判断基準になるものです。

しかも、重要なことは単なるスローガンではなく、社員一人ひとりの意識に染み込んでいて、

無意識に反応し、反射的に行動する風土のことです。」

・・とは、言っちゃたものの、内心は心配でした。

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しかし、社員からの下記のような業務報告に接し、ホッとした瞬間がありました。

『今日、せっぱ詰まった声で女性の方からお電話がありました。

内容は・・「お産で入院していたので今月のお家賃の支払いを2、3日待って下さい」と。

会社には申し訳有りませんが、快く受けさせていただきました。

加えて「出産おめでとうございます。大変だと思いますがお体には気を付けて・・」とお伝えすると、

先ほどとは違った元気一杯の声で「はいっ!ありがとうございますっ!」と。

なんだかこちらが涙が出そうになりました。

その一瞬一瞬で出会ってよかったと思われる人間であり、会社でありたいと強く思います。』家賃係担当

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企業文化の真髄は、上司にお伺いを立てたり、検討する時間を設けたりした上で行動するようなことではなく、

社員一人ひとりが反射的にする行為です。

言わば、自然に表面に表れる行動全般のことです。

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弊社の企業理念は冊子にしていますが、176ページあります。

社員に毎日数ページを唱和してもらっていますが、月に一度この冊子の中からテストが行われます。

企業理念は、一度教えたら全員が理解するほどシンプルではありません。

例えば「お客様感動満足の実践」と一言に表現しても、人によって主観的な表象が異なります。

なんとなくこんなものか?という心のあり方「観念」には、個人差があります。

それを分解して、できる限り具体的に共通認識として理解してもらうには176ページでも足りないほどです。

その中の「企業方針の徹底」欄の2項に次のように明記しています。

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『企業方針の唱和は耳にタコができても続けます。当社の社員である以上、中止することはありません。

記載内容は初歩的なものから難しいものまでありますが、理解を超え反射的にできるようになるまでレベルアップします』

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尚、上記の業務報告の社員は、現在当社の中心的業務を担う「取締役」として皆を指導する立場にいます。

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