お知らせ
真実の瞬間
私の印象では、20数年前に比べて、「社員の対応が良いですね!」と言われることがめっきり減った感じがします。
勿論、営業の現場では、対応する社員の個性によって「親切にしてもらった」「親身に相談にのってくれた」「他社に比べて雰囲気が良かった」などの高評価を頂くことはままありますが・・・。
ここで云う「社員の対応」とは、非営業社員を含む全社的なアベレージのことです。
当時に比べて明らかに違うのは、私自身が現場に対して直接口やかましくアレコレ云わなくなったことです。もう一つは、事務所や店舗に一定のお金をかけて見栄えを良くしたことです。その目的は、お客様をより良い環境でお迎えすることと、そこで働く社員のトータルモチベーションをアップすることです。
にもかかわらず、以前よりも評価が低いと感じるのは、中間管理職による社員教育の低下が原因なのか・・と考えていました。
ある日のこと東京から来客があり、名刺交換した時のことです。
その人の第一声は「すばらしい店舗ですね!全国イロイロな不動産会社さんを見てきましたがこんなに素敵な店舗は初めてです・・感動しました。」「不動産の店舗内にカフェカウンターまで造って・・ホント最高ですね!」と・・。続いて「また御社の名刺に刻んである“お客様感動満足が・・商品です”という企業理念・・これもすばらしいです・・」と興奮気味に褒めらました。
この部分は、当社の差別化であり長所でもあると認識していましたので、まんざら悪い気はしませんでした。
ところが次の言葉に、目が覚める思いでした。
「・・でも、お客様心理として店舗が立派なほど期待値が高くなりますよ。企業理念が立派なほどレベルの高いサービスを期待しますよ」
「もし期待に応えられないと・・お店は立派なのに、スタッフはひどい!企業理念は素晴らしいのに、社員レベルは低かった・・などと、その分だけ反動が大きくマイナスに振れてしまう」という指摘です。
「暗に、店舗のグレードに応じた、または企業理念レベルの社員教育が出来ていますか?」との問いかけでした。
見た目が立派なほど、また素晴らしい企業理念を掲げているほど、お客様の期待値は高くなります。20数年前と変わらず社員が100点の対応をしているつもりでも、もしもお客様が120点を期待していたら、それは「マイナス20点」という価値しかありません。
店舗や言葉をいくら飾ろうとも、真の姿はお客様と社員が接した時・・“真実の瞬間”として表れます。この瞬間には、相対的感覚が優ります。
今更ながら、店舗のグレードを上げれば社員レベルも上げなければ、相対的低下になる事実を再認識させれらました。
容姿に自信のあるあなた、「とても美人なのに中身がダメだね!」と思われているかも知れません?・・・普通の人より努力、努力・・!
ならば我々サービス業に従事する者、百人の一人ではなく「唯一たった一人」のお客様対応を、常に心がけたいものです。