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時は命なり

会長のたわごと

 

 

 

 

 

 私事ですが2023年7月の早朝、経験したことがない胸の痛みで日赤に救急搬送され緊急手術を受けました。

急性心筋梗塞の手術でしたが、医師から家内への通告は「近親者を呼んでおいてください」と、覚悟の暗示でした。

手術中は局所麻酔のため、執刀医とスタッフの真剣なやり取りが聞こえてきました。意識混濁状態の私には、まるでドラマのワンシーンのようでした。

ただ、その執行が私の心臓であることは認識できていました。

 そして「手術が失敗に終わるかもしれない」と脳裏をかすめた時、恐怖や不安というよりも「無念」が支配していました。

それまで大きな病気をしたこともなく、いたって健康だった自分に「突然変異?」が起こることが納得できていなかったのです。

そして、猶予もなくいきなり遮断される命もありうることを、認めざるを得ない実体験でした。

後日談として主治医から、「あと50分遅かったらヤバかった」とも言われました。

幸いにも、現代医学の進歩で一命をとりとめることができましたが、時代が時代なら私自身74歳の生涯を閉じていたことでしょう。

 

 戦国時代の信長が愛したと伝えられる伝統芸能「幸若舞」のひとつ「敦盛」の一節で、『人間五十年 下天の内をくらぶれば 夢幻のごとくなり・・』は有名です。医学の発達していない当時は、50歳ぐらいが寿命だったようです。

さらに続けて『・・一度生をうけ、滅せぬもののあるべきか、これを菩提の種と思い定めざらんは、口惜しかりき次第ぞ』と。

 

つまり平敦盛は、「人間の一生50年は、あっという間に過ぎ去ってしまう。この世に生まれた人は、だれでも死滅する。したがって人生のはかなさを見つめず、本当になすべきことは何かを考えないのは、まことに残念至極だ」と、平安時代末期に“人生の有限”について詠っていたのです。

 

端的に言ってしまえば、「命」とはその人の「持ち時間」のことです。

すべての人は母親のお腹から「おぎゃ~」と生れたその瞬間から、残り時間のカウントダウンが始まります。

現代の日本人の平均寿命は83歳ですが、それは数字上の平均値に過ぎません。

もし健康状態がよくても、あなた自身の「命」→「持ち時間」は、数年後、数日後、数時間後かも知れないのです。

私の体験のように、自分の終末はいつ来るのか誰にもわかりません。

人生を大切に生きるとは、目の前の1時間、1分間を大切にするということです。なぜなら、自分の持ち時間が突然「0」になることを、誰も予測できないのです。

 

「今」は、瞬時に「過去」へ変化します。そして同時に「未来」に繋がっています。

私達の数十年後という将来の夢は大切です。しかし、将来の夢にかまけて、今を無為に過ごしがちです。今を大切にしないのは、過去も未来も無駄にすることです。

本当に大切なのは「今」この瞬間です。最大限に重要なのは、一呼吸、一呼吸の“今”なのです。

 

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